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イギリス人と仕事をする上で知っておくべき6つの特徴・お悩み対処法


日本で働く英語圏出身者の中で、イギリス人は2番目に多い17,778人(2020 年 6 月時点)、 5年前と比較して約17%増加しました。それに伴い、語学教育、海外マーケティング、IT領域など、様々な分野で活躍するイギリス人が増えています。

一方、イギリス人を採用する企業からはこのような声をよく聞きます。

  • イギリス人はなかなかアドバイスを取り入れようとしない
  • イギリス人は指示しないと自発的に動くことが少ない
  • ふたを開けたら、話に聞いたより事態は深刻だった!ということがある


そこで本記事では、これらのお悩みの原因となる文化背景を日本文化と比較しながら解き明かします。併せて具体的な対応もご提案しますので、イギリス人と働く仕事環境を改善するヒントとしてお役立てください。

  • イギリス人の仕事の進め方・特徴
  • イギリス人と仕事をする中でよくあがる課題と対処法


なお、大前提、個性を無視した取り組みを推奨する訳ではないことをご留意願います。ここで書かれている内容はあくまで「ステレオタイプ」的な考えとしてとらえていただければ幸いです。


目次[非表示]

  1. 1.仕事をする上で知っておくべきイギリス人の特徴(国民性・性格・働き方)
    1. 1.1.【特徴①】 個人の意見を尊重する国民性
    2. 1.2.【特徴②】 対等な関係を好む国民性
    3. 1.3.【特徴③】 コミュニケーションの発信者側が責任をもつ働き方
    4. 1.4.【特徴④】 曖昧な状態を気にしない性格
    5. 1.5.【特徴⑤】 仕事の範囲を明確にとらえる働き方
    6. 1.6.【特徴⑥】 ネガティブなメッセージをあえてポジティブに表現する国民性
  2. 2.イギリス人と仕事をする中でよくある課題と対応方法
    1. 2.1.【仕事あるある①】 イギリス人はなかなかアドバイスを取り入れようとしない
    2. 2.2.【仕事あるある②】 イギリス人は指示しないと自発的に動くことが少ない
    3. 2.3.【仕事あるある③】 ふたを開けたら、話に聞いたより事態は深刻だった!ということがある
  3. 3.まとめ


記事をすべて読み込む時間がない方はこちらの資料をダウンロードいただけます。一緒に仕事をする上で最低限把握しておくべきイギリス人の特徴やよくある課題、対応方法をまとめています。既にイギリス人を雇用している企業の方にも、これまでの働き方・マネジメント方法を見直すきっかけとして是非ご活用ください。



仕事をする上で知っておくべきイギリス人の特徴(国民性・性格・働き方)

【特徴①】 個人の意見を尊重する国民性

社会関係の中で、「集団」と「個人」どちらを優先するかは、国民文化によって特徴があるとされます。社会生活において、自分を集団の一部とみなし、集団の意見や行動をより尊重する態度を「集団主義」。自分を本質的に個人とみなし、個人の意見や行動をより尊重する態度を「個人主義」と言います。日本人とイギリス人を比較すると、日本人はどちらかと言えば「集団主義」であるのに対し、イギリス人は「個人主義」の傾向が強いとされます。教育の現場を振り返ると、日本人は「意見の一致」「調和」を好み、「私たちは」という視点から物事を考えることを学んできました。一方、イギリス人の思考の起点は「私は」です。集団と個人は完全に切り離して考えられ、個人としてどうありたいかが関心事の中心にあり、一人ひとりの意見を尊重します。


【特徴②】 対等な関係を好む国民性

地位や権力、年齢、身体的/知的能力など、世の中には様々なパワーバランスが存在しますが、国民文化によって受け止め方に差があります。日本とイギリスを比較すると、日本はパワーバランスから生じる不平等をある程度まで許容する「階層社会」、イギリスは不平等を出来るだけなくしたいと考える「平等社会」に分けることができます。例えば、日本は親-子、先生-生徒、上司-部下、先輩-後輩など、上下関係を明確に区別し、目上の者に敬意を払うことを美徳とします。一方、イギリスは階級制度が残る国ではあるものの、全体的に見ると日本より上下関係の区別は緩やかです。パワーバランスに関係なく、皆が平等な存在として扱われることを期待します。


【特徴③】 コミュニケーションの発信者側が責任をもつ働き方

コミュニケーションのスタイルは、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化の2つに分類されます。各国どちらの文化に属するか、その程度はまちまちですが、日本とイギリスを含む海外諸国を比較すると、日本は極端なハイコンテクスト文化だととらえても差し支えないでしょう。日本のハイコンテクスト文化では、コミュニケーションは「受信者」の責任という考え方が一般的です。1を聞いて1しかわからない人は勘所が悪い人と見なされます。一方、イギリスのローコンテクスト文化では、コミュニケーションは「発信者」の責任です。1しか聞かなければ1しかわからないのが当然であり、「説明していないあなたの責任」だと思われます。この考え方がそろっていないと、コミュニケーションでのずれが多発する可能性があります。


【特徴④】 曖昧な状態を気にしない性格

イギリスは曖昧な状態を気にしません。例えば、その特徴が顕著に表れているのが電車の時刻表です。日本と違って、イギリスの電車は時刻表通りに運行されないことが多いようです。むしろ、イギリス人は苛立つどころか、時刻通りに発着したらラッキーくらいにしかとらえません。その分、予め遅延を見込み、余裕を持った旅の計画を立てる習慣があります。「失敗してもまたトライしたらいい」「未知の経験もとにかくやってみよう」と考えます。一方、日本人は交通機関の遅延証明書や稟議書・会議前の根回しなどにみられるように、曖昧な状態を出来るだけ回避したいと考えます。したがって、不測の事態にならないよう、徹底的に事前に準備する傾向があります。


【特徴⑤】 仕事の範囲を明確にとらえる働き方

上述の通り、曖昧な状態を気にしないイギリス人ですが、仕事の範囲となれば別です。仕事の範囲のとらえ方は「アメーバ型」と「ピラミッド型」に分けることができます。日本人の働き方は個人の仕事の境界線が曖昧です。自分の仕事と直接的に関係がなくても柔軟に対応し、助け合う特徴があることから、「アメーバ型」の働き方と呼ぶことがあります。一方、イギリス人の働き方は個人の裁量範囲が明確な「ピラミッド型」と表現されます。1つのブロックがコミットするべき仕事範囲で、それ以外は範疇外とされています。時にはこうした違いが、イギリス人は違う部署の同僚に対して冷たいという印象を持たれる方もいます。


【特徴⑥】 ネガティブなメッセージをあえてポジティブに表現する国民性

イギリス人はネガティブなメッセージをあえてポジティブな言葉で表現する傾向があります。例えば、「小さな」問題を抱えていると言えば、本当の意味では「大きな」問題を抱えていることになります。深刻な状況に少しでもユーモアを持ち込んで、緊張感を和らげようとするのはイギリス人によく見られる特徴です。このイギリス人独特のポジティブな空気づくりは「ブリティッシュ・ユーモア」と呼ばれます。イギリスにおいて、ユーモアは強い信頼関係を創り出します。中には見極めが困難な皮肉や自虐ネタ、ジョークもありますが、基本的には問題に直面した際にメンバーがリラックスし、より安心して過ごせる効果を狙ったものです。


イギリス人と仕事をする中でよくある課題と対応方法

次からは、イギリス人と一緒に働く中で直面しやすい課題を3つ取り上げ、文化的背景の説明を添えつつ、対応方法をご紹介します。


【仕事あるある①】 イギリス人はなかなかアドバイスを取り入れようとしない

<背景>

イギリス人は細かなアドバイスや指示を受けることを好まない傾向があります。なぜならば、イギリス人と日本人とで、社員のマネジメント方法に期待することが異なるからです。イギリス人にとって、マネジメントの仕事は方向性と戦略の達成が第一です。したがって、日々のオペレーションは現場に完全に任せられます。その背景にあるのが、上述した「個人主義」の考え方、「ピラミッド型」の働き方です。メンバーはマネジャーが割り振った仕事範囲の中で、比較的自由度の高い裁量権を与えられる代わりに、独立して仕事を完遂し、成果を出すことで評価されます

一方、日本人はイギリス人よりも「集団主義」の考え方、「アメーバ型」の働き方の上、曖昧な状態をなるべく回避する方向に動きます。その為、マネジメントは日々のオペレーションにフォーカスし、細かな管理を通して曖昧な状態を徹底的に排除します。仕事の範囲が曖昧な「アメーバ型」を矛盾に思う方もいるかもしれませんが、それは“あえて”曖昧にしているのであって、役割の範囲を超えてメンバーがお互い補い合うことでリスクを減らしていると言えます。


<対応>

・ブロック内へのアドバイスや要望が「不信頼の証」ではないことを最初に明確にする

イギリス人は、「ピラミッド型の一つのブロックを任されるから雇われている」と考えます。そのため、 細やかなマネジメントは、上司が部下に仕事を任せきれていない、つまり信頼されていない証であり、評価が下がると認識されることがあります。したがって、仕事の成果の正当性を強く主張したり、アドバイスされることを嫌がる素振りを見せたりします。これに対し、日本人側がすべきことは、アドバイスや要望が「不信頼の証」ではないことを明確にすることです。例えば、アドバイスをしている意図を伝えるにあたって、組織全体で目標達成できるようサポートしたいこと、アドバイスしても評価が下がることはないことを伝えるとよいでしょう。さらには、上司の仕事は部下の仕事を円滑に進めるためであり、ブロックを積み上げることではないことも伝えると、より理解が進むかも知れません。


【仕事あるある②】 イギリス人は指示しないと自発的に動くことが少ない

<背景>

イギリス人が自発的に動くことが少ないように見える要因は主に2つです。1つは、イギリス人の「仕事を依頼する側に説明責任がある」という考え方です。前述の通り、イギリス人は対等なコミュニケーションを好む上、「発信者側」に意思伝達の責任があるローコンテクスト文化です。立場に関係なく、仕事を依頼する側に説明責任があるととらえます。一方、日本の上下関係はイギリスに比べると大きく、世界と比較すると中間値です。したがって日本では、上司から部下へ一方的かつ絶対的な指示が下されるという構図というよりは、ある程度、部下の自主性が重視されます。また、日本のコミュニケーションはハイコンテクストなので、情報伝達は「受信者側」に責任があります。仕事を依頼された部下は上司の指示の意図を察します。わからなければ、上司が気を利かせて説明するよりは、部下から教えを乞い、提案します。つまり、自分の職務は自分で作るものであり、指示待ちの姿勢では仕事は一向に生まれないと考えます。

もう1つは、「職務範囲をはみ出して仕事をすることはタブー」という考え方です。イギリス人と日本人で仕事の範囲が異なることは前述の通りです。イギリス人が自ブロックをはみ出して仕事をすることに消極的な理由は、それが他者の地位を無視した失礼な行動に当たると考えるからです。例えば、安易に他人の仕事に介入してミスをすれば、迷惑がかかる可能性があります。さらに、海外では他人の仕事に介入することはその人の職を奪うことにもなると心配します。職務別採用が一般的で、即日解雇もありうる海外では他人に仕事を踏み込まれた人が失職する可能性もあります。ゆえに、そうしたことに関与したくないという意識が働きます。


<対応>

ポイントは2点です。

・仕事が重複しても相手の仕事を奪うことにならないと伝える

前述の通りです。勘違いしている可能性があるので、先ずは言葉で伝えて目線合わせを行います。日本人の「アメーバ型」の働き方と、外国人の「ピラミッド型」の働き方の違いや背景から丁寧に説明するとよいでしょう。

・アメーバ型の働き方にはいいところがあると伝える

日本人がアメーバ型の働き方を選ぶ理由に加えて、外国人社員にとってどのようにメリットがあるか説明できるとさらに納得感が増すでしょう。例えば、仕事の境界線が曖昧ということは、言い換えると、別仕事に挑戦する敷居が低いとも言えます。イギリス人は比較的キャリア思考の強い傾向があるので、新しいスキル・経験の獲得を提案して、モチベーションを高めるとよいかもしれません。


【仕事あるある③】 ふたを開けたら、話に聞いたより事態は深刻だった!ということがある

<背景>

本人から聞いてきた途中経過では問題なさそうだったにも関わらず、詳細を確認すると事態はあまり芳しくなかったということがあるかもしれません。前述の通り、イギリス人は日本人と違って曖昧な状態を気にしません。また、イギリス人はプロセスよりも最終的な成果が重視される評価方式に慣れています。問題は発生した時に対応すればよいと考えるので、最初からワーストシナリオまで含めた入念な事前準備は不要という立場です。一方、日本人は曖昧な状態を気にするので、リスクまで十分に検討された状態でないと、悪い方のシナリオもちゃんと考えたのか?と不安になります。また、日本人はブリティッシュ・ユーモアに慣れていないので、「冗談を言えるほど余裕がある」と受け取って判断を誤る可能性もあるでしょう。異文化コミュニケーションは、表面的な意味だけを汲み取って間違った判断をしてしまう危険性があります


<対応>

イギリス人がネガティブな側面を考える時、日本人の基準に満たない場合が多いでしょう。イギリス人の発言は日本人よりも楽観的に「聞こえる」というよりも、マインドそのものが楽観的と考えた方がよいかもしれません。その場合、 ワーストシナリオから考えてもらうことが得策です。留意点は2点です。

・リスクも含めて考えてもらいたい理由・背景も伝える

リスクまで慎重に検討する習慣がなく、必要性も感じていない人にワーストシナリオから考える癖をつけさせるのは一筋縄ではいきません。なぜ事前のリスク把握が必要なのか、なぜ効率的にゴールに到達できると考えるのか等、意図を説明することから始めます。例えば、ネガティブな側面も併せてみることで、物事の本質をじっくり見極めることができるので正確性が上がる、スピードが多少落ちても PDCA を着実に回せる等です。

・表層に囚われない。雰囲気に流されない

ユーモアやジョークも個々人のパーソナリティの一部なので、表現方法はそう簡単に変えられるものではありません。そこで注意するべきは、表層の言葉のやりとりだけで理解した気にならないことです。ポジティブに聞こえたら、ポジティブな内容ととらえるのでなく、本当に言いたいことは何か本質を見極めることが重要です。


まとめ

仕事をする上で知っておくべきイギリス人の特徴(国民性・性格・働き方)

【特徴①】個人の意見を尊重する国民性
【特徴②】対等な関係を好む国民性
【特徴③】コミュニケーションの発信者側が責任をもつ働き方
【特徴④】曖昧な状態を気にしない性格
【特徴⑤】仕事の範囲を明確にとらえる働き方
【特徴⑥】ネガティブなメッセージをあえてポジティブに表現する国民性


イギリス人と仕事をする中でよくある課題と対応方法

【仕事あるある①】イギリス人はなかなかアドバイスを取り入れようとしない
→ブロック内へのアドバイスや要望は「不信頼の証」ではないと伝える

【仕事あるある②】イギリス人は指示しないと自発的に動くことが少ない
→仕事が重複しても相手の仕事を奪うことにならないと伝える
→アメーバ型の働き方にはいいところがあると伝える

【仕事あるある③】ふたを開けたら、話に聞いたより事態は深刻だった!ということがある
→リスクも含めて考えてもらいたい理由・背景も伝える
→表層に囚われない。雰囲気に流されない


冒頭にも触れましたが、ここで書かれている内容はあくまで「ステレオタイプ」的な考えであり、同じイギリス人でも全く異なる場合があります。一番重要なことは、文化や価値観、考え方の違いがあることを前提に、目の前の人としっかり向き合うことです。国ごとに大まかな特徴を知ることは、異文化背景を持つ者同士がお互いを信頼し合い、生き生きと働く上でのヒントになることは間違いありません。しかし、ひとりひとり違うことを忘れて、「イギリス人は~だから」とステレオタイプ的に物事を捉えることは、両者の溝を深めるだけで、とても危険です。実際にコミュニケーションをとり、お互いの違いを知る中で、文化の異なる両者がしっかりと向き合い、ベストな働き方を模索しましょう。


一緒に仕事をする上で最低限把握しておくべきイギリス人の特徴、よくある課題、対応方法をまとめたダウンロード資料もご用意しております。既にイギリス人を雇用している企業の方にも、これまでの働き方・マネジメント方法を見直すきっかけとして是非ご活用ください。




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