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【外国人が仕事しないはウソ】外国人とうまく一緒に働く3つのコツ

外国人社員を雇用する企業は年々増えています。そのような中、「外国人は仕事しない」「一緒に働くことにストレスを感じる」という声もあります。

パーソル総合研究所の調査によると、外国人社員を部下にもつ日本人上司の3割以上が「強いストレスを感じることがある」と回答しています。


出典:パーソル総合研究所「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」


ストレスの主な原因は何でしょうか。「想像以上に外国人は日本の常識が通じなかった」が約4割を占めていることからわかるように、日本人と外国人との価値観の違いに関係がありそうです。


出典:パーソル総合研究所「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」


その「日本の常識」の中身ですが、弊社がこれまでご支援してきた人事担当や管理職の方からよく聞くお悩みは下記の通りです。


  • なぜ外国人社員は決められた範囲の仕事しかやらない

  • なぜ外国人社員は業務の進捗状況を逐一報告しない

  • なぜ外国人社員は未完了の仕事があるのに定時で帰ってしまうのか


日本人側が思う「最低限の社会人のマナー」が守られていない状態がストレスにつながっています。さらに、それらを正すために価値観の異なる外国人に指導しようとしても、伝え方によってはすれ違いを余計に悪化させるケースもあります。まずは日常的にある具体的な悩みからおさえておきましょう。

本記事を読んで学べることは下記の通りです。

  • 外国人社員に業務範囲を超えて活躍してもらうポイント

  • 外国人社員に報連相の習慣を身につけさせるポイント

  • 外国人社員が期日を守って働くようになるポイント


なお、記事をすべて読み込む時間がない方はこちらの資料をダウンロードしてください。外国人マネジメントに必要な基礎知識や異文化、就業観の違いをまとめています。


目次[非表示]

  1. 1.【前提】外国人と一緒に働く上で知っておきたい文化的背景
    1. 1.1.コミュニケーションの違い
    2. 1.2.職務範囲の捉え方の違い
    3. 1.3.仕事とプライベートの優先度の違い
  2. 2.【悩み①】決められた範囲の仕事しかしない
    1. 2.1.仕事の境界線をはみ出すのは無礼な行為
    2. 2.2.職務の責任・業務・権限の範囲を広く捉えてもらう
  3. 3.【悩み②】報連相しない
    1. 3.1.一人で仕事を完遂するプロフェッショナル意識
    2. 3.2.仕事を与える側から報連相を指示する
  4. 4.【悩み③】残業しない
    1. 4.1.残業は非常事態にするもの!?
    2. 4.2.目の前の仕事だけでなく全体像を意識させる
  5. 5.まとめ

【前提】外国人と一緒に働く上で知っておきたい文化的背景

似たような価値観を持つ日本人同士の職場では、ビジネス習慣の理由や背景までを振り返るきっかけは少ないものです。しかし、一度異なる価値観を持つ者と一緒に働くと状況は一変します。思いもよらない事態に直面した時、「それは以後このようにしてください」と指導して、一時的にその場を収めることは難しくないかもしれません。しかし、次回同様に対応できるとは限りません。指導側にすれば、「何度指導すればわかるのか」「外国人は仕事しない」とネガティブな気持ちになります。一方、指導された外国人側も根本的な原因がわからず、心の距離は深まるばかりです。そこで大事なのは、表面上の行動様式よりも先に、行動の背景や理由を理解することです。

以降、外国人社員と一緒に働く中で抱えやすいストレスを解消する上で、これだけは最低限知っておきたい、価値観の違いを紹介します。

コミュニケーションの違い

コミュニケーションは、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化の2つに分類されます。各国どちらの文化に属するか、その程度はまちまちですが、日本と海外諸国を比較すると、日本は極端なハイコンテクスト文化だと捉えても差し支えありません。

日本のハイコンテクスト文化では、コミュニケーションは「受信者」の責任という考え方が一般的です。1を聞いて1しかわからない人は勘所が悪い人と見なされます。一方、海外のローコンテクスト文化では、コミュニケーションは「発信者」の責任です。1しか聞かなければ1しかわからないのが当然であり、「説明していないあなたの責任」だと思われます。この考え方がそろっていないと、コミュニケーションでのずれが多発する可能性があります。

職務範囲の捉え方の違い

職務範囲の捉え方は「アメーバ型」と「ピラミッド型」に分けることができます。日本人の働き方は個人の業務の境界線で曖昧です。日本では一般的な総合職採用という仕組みからもわかるように、所属部署は決まっていても、仕事の細かな内容や範囲は明確に定まっていません。自分の業務と直接的に関係がなくても柔軟に対応し、助け合う傾向があることから、「アメーバ型」の働き方と呼ぶことがあります。一方、外国人の働き方は個人の裁量範囲が明確な「ピラミッド型」と表現されます。海外はポジション別採用が一般的なので、仕事内容や範囲が明確になった状態が当たり前です。1つのブロックがコミットするべき業務範囲で、それ以外は範疇外とされています。こうした違いによって、外国人は日本人よりも仕事内容に対してこだわりが強くみえる上、人によっては業務の指示をはっきり断るので、冷たい印象を持たれる方もいます。

仕事とプライベートの優先度の違い

国民文化によって、「仕事」と「プライベート」の優先順位が異なります。言い換えると、「仕事」は「会社生活での成功や地位」、「プライベート」は「日常生活の質」とも言えるでしょう。一概には言えませんが、日本は海外諸国と比べると、「プライベート」よりも「仕事」を重視する傾向が強いです。代表的なのは、日本のものづくりや伝統工芸にみられる、1つの道を極める職人気質です。目標達成のためにコツコツと努力することが賞賛される空気があり、多くの日本人はハードワークを厭わず、時にプライベートの時間を犠牲にすることもあります。一方、海外諸国は日本と比べると、「仕事」よりも「プライベート」を重視する傾向があります。あくまでも、仕事は生きるために必要は「手段」であり、「会社生活での成功や地位」と「日常生活の質」は両立できるものという認識です。したがって、家族と過ごす時間をとれるように柔軟に時間を調整できることが仕事へのモチベーションにつながります


次に、前述のよくあるお悩み「なぜ外国人社員は決められた範囲の仕事しかやらない」「なぜ外国人社員は業務の進捗状況を逐一報告しない」「なぜ外国人社員は未完了の仕事があるのに定時で帰ってしまうのか」について、外国人の行動の文化的背景とアプローチ方法を紹介します。


【悩み①】決められた範囲の仕事しかしない

仕事の境界線をはみ出すのは無礼な行為

前述の通り、外国人の働き方は個人の裁量範囲が明確な「ピラミッド型」です。外国人が自ブロックをはみ出して仕事をすることに消極的な理由は、単なるわがままでなく、それを他者の地位を無視した失礼な行動と考えるので、職務範囲の重複を避ける習慣があるからです。失礼な行動となる理由は2点です。1つ目は、安易に他人の業務に介入するとミスを引き起こす危険があるからです。例えば、担当外の顧客から電話があった時、日本では急用であれば代行することもありますが、外国人の間ではあまり見られない光景です。2つ目は、他人の仕事を奪うことになるからです。海外では一般的に職務別採用なので、従事する職務範囲内を全うします。他人の仕事に踏み込むことは、その人のポジションを侵すこと同然であり、奪われた人が失職する可能性もあります。

職務の責任・業務・権限の範囲を広く捉えてもらう

ポイントは3点です。
①業務が重複しても相手の仕事を奪うことにならないと伝える
前述の通り、勘違いしている可能性があります。自分のブロックをはみ出しても他人の仕事を奪うことにならないと、はっきり言葉で伝えて目線合わせを行います。


②アメーバ型の働き方にはいいところがあると伝える
業務の境界線が曖昧ということは、言い換えると、別業務に挑戦する敷居が低いとも言えます。外国人は比較的キャリア思考の強い傾向があるので、新しいスキル・経験の獲得を提案して、モチベーションを高めるとよいかもしれません。


③日々の仕事ぶりから適性を指摘する
3点目は上記①②を伝えても消極的な場合に是非試してみてもらいたいことです。ローコンテクスト文化の外国人にとって、「ポジティブ・フィードバックは心の報酬」と言われるくらい、褒めることが仕事へのモチベーションを引き上げます。日々の感謝を言葉で丁寧に表現しつつ、新たな業務への適性を説明してみましょう。そうすることで、仕事に意味付けされ、仕事を依頼するハードルがぐんと下がります。日本人は「仕事はできて当然」と考えるので、あまり褒めることに慣れていませんが、最初は大げさに聞こえるくらいの表現が丁度よいかもしれません。


【悩み②】報連相しない

一人で仕事を完遂するプロフェッショナル意識

ピラミッド型の働き方が一般的な外国人は、上司が割り振った仕事の範囲の中で完遂を目指し、独立して成果を出すことで評価されます自力で完遂できなければ、スキル・経験が足りないと見なされ、降格や解雇もあり得ます。ブロック全体を見て統轄するのが上司の役目なので、途中報告の指示がない限り、他ブロックとの調整を踏まえた進捗確認は上司の方からするのが筋だと考えます。

仕事を与える側から報連相を指示する

日本人同士なら途中経過の報告は当たり前と考え、わざわざ指示を出す必要性を感じないかもしれませんが、暗黙の了解はローコンテクスト文化の外国人には伝わりません。報連相がないことで、仕事の方向性や成果が当初の期待からずれてしまうケースが多くみられます。はっきり言葉にして指示を出してみましょう。ポイントは3点です。

①   途中で報連相しても評価が下がらないと説明する
降格や解雇を恐れて、途中で相談や報告を切り出しにくいと感じる外国人もいます。日本だと大げさに思われますが、誤解を解かない限り、行動を変えることはできません。うまくいっていない状況を相談しても評価は下がらない、むしろそれを助けるのが自分の仕事です、と口に出して伝えれば本人は安心し、報連相に対するハードルがぐんと下がるでしょう。


②   報連相する理由を説明する
外国人の中には、最終的な成果さえ出せれば報連相は不要と認識しているケースがあります。したがって、報連相してもらいたい理由も丁寧に説明する必要があります。例えば、「技術会議までにプレゼンの技術を磨いてもらいたいので、一度途中で作成中の資料を見せてほしい」「同時進行で作業を進める必要があるので、定期的に確認しよう」など、理由がクリアになれば、成果達成に向けて協力的になるでしょう。


③   時間感とともに伝える
必ず報連相のタイミングも伝えるようにします。「進捗状況を頻繁に連絡してください」だけでもよいかもしれませんが、「頻繁に」という表現は曖昧です。上司との間で定義が大きく異なる可能性があります。はじめから締め切りを具体的に提示すると、仕事も進捗しますし、後々のフラストレーションを軽減するテクニックにもなります。


【悩み③】残業しない

残業は非常事態にするもの!?

「仕事」と「プライベート」の優先度は、残業の捉え方と時間の区切り方に影響します。日本人の多くは「仕事」優先の傾向です。残業は必要となれば必要不可欠な職務の一部として許容します。また、最近は働き方改革の影響で変化がみられるものの、コツコツ努力して極める姿勢を評価する空気によって、残業時間の長さは仕事に対する熱意として映ることがあります。仕事がひと段落ついたら帰ろうといったように、時間の区切り方は仕事単位です。一方、外国人の多くは「プライベート」優先の傾向です。仕事一辺倒な人よりも、家族と過ごすプライベートな時間と両立しながら働ける人こそが尊敬の対象です。したがって、残業は時間の管理能力がない個人の責任、もしくは、マネジメント能力に問題がある会社の責任と考えます時間の区切り方は時間単位であり、時間になれば仕事は切り上げて当然です。

目の前の仕事だけでなく全体像を意識させる

好き好んで残業したい、残業してほしいと願い人はいないでしょう。では、なぜ外国人が残業しないことを上司が不満に感じるかですが、その理由は、仕事の締め切りが守られていないと感じるからではないでしょうか。いつまでに終えてほしいのか、なぜその時までに必要なのかが伝わっていない可能性があります。ポイントは下記3点です。

①   背景の説明を丁寧に行う
ハイコンテクスト文化の日本人が仕事を指示する時、目的や理由といった基本情報を省略せずに伝えます。日本人同士では、既にお互い知っているものとみなして説明しないケースが多々見られますが、ローコンテクスト文化の外国人にはとても重要な情報です。背景情報を理解していないと、修正の手間が生じたり、改めて変更を依頼したりが必要です。修正が残業時間に食い込んだ場合、指示の出し方が悪い上司の責任と捉える外国人は多いので、残業しない外国人も出てくるでしょう。


②   仕事の重要性とともに締め切りを明確に伝える
ピラミッド型の働き方をする外国人は、自ブロック内にしか責任を持ちません。言い換えると、他部署との協働プロジェクトにおいて、他部署都合で返答が遅れた場合、全体の締め切りに間に合わなくても自分の責任でないと考える人が多くいます。自ブロックの中だけでなく、最終ゴールへの目線合わせが必要です。対策として、どうして全体の締め切りに間に合わせなければならないのか、仕事の重要性を最初から説明しておくのがよいでしょう。また、個々の仕事が進捗するように、細かく期限を区切るのも手です。


③   優先順位を明確にする
締め切りは優先順位を決めて伝えます。外国人にとって、残業は緊急性の高いプロジェクトなど特別な時にやるものです。しかし、日本では何でも緊急性が高いとぼんやりしており、残業がごく日常的な光景となっています。この違いによって、「外国人は絶対残業しない」と決めつける人がいますが、これは外国人のモチベーションを下げるので注意が必要です。キャリア志向の高い外国人にとって仕事、会社生活での成功・地位は大切なやりがいであり、必要とあれば残業します。優先順位を明確にすることで、「本当はこれを先にやってほしかったのに」「仕事しないで帰った」という期待のずれを回避できます。


まとめ

仕事へのスタンスが極端に異なる者同士が協働する上で大事なことは2点です。

①仕事のスタンスが違うことをお互い認識し合うこと
②お互いが合意できる働き方を一緒に模索すること

一方の働き方を無視し、理由なく強要すれば、もう一方の働き方をする人たちからの反感を招き、職場環境を悪化させ、全体のパフォーマンスを低下させる恐れがあります。今日お伝えしたポイントを下記にまとめます。明日からぜひ実践してみてください。

前提】外国人と一緒に働く上で知っておきたい文化的背景
・コミュニケーションの責任は「発信者」にある
・1つのブロックがコミットするべき業務範囲で、それ以外は範疇外
・家族で過ごすプライベートな時間が大切

【悩み①】決められた範囲の仕事しかしない
外国人にとって、仕事の境界線をはみ出すのは無礼な行為です。下記3点をおさえて、職務の責任・業務・権限の範囲を広く捉えてもらいましょう。
①   業務が重複しても相手の仕事を奪うことにならないと伝える
②   アメーバ型の働き方にはいいところがあると伝える
③   日々の仕事ぶりから適性を指摘する

【悩み②】報連相しない
外国人の中には、仕事は一人で完遂するべきというプロフェッショナル意識を強く持つ人がいます。下記3点をおさえつつ、仕事を与える側から報連相を指示しましょう。
①   途中で報連相しても評価が下がらないと説明する
②   報連相する理由を説明する 
③   時間感とともに伝える

【悩み③】残業しない
外国人にとって、残業は非常事態にするものです。下記3点をおさえて、目の前の仕事だけでなく全体像を意識させるようにしましょう。
①   背景の説明を丁寧に行う
②   仕事の重要性とともに締め切りを明確に伝える
③   優先順位を明確にする


もし具体的な外国人社員のマネジメント方法を知りたい方がいらっしゃればこちらの資料をご参考にしてください。



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