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技能実習生を受け入れる方法とは?「外国人技能実習制度」が丸わかり!

外国人の雇用をする手段として認知は高いものの、「奴隷制度」などと批判されることもある外国人技能実習制度。実際の仕組みや成果ついて皆さんご存知でしょうか。

厚生労働省によれば2020年10月に日本で働いている外国人は172万4328人で、そのうち約40.2万人(23.3%)が技能実習生です。現在(2022年3月)はコロナ禍の影響で数がやや減少しているものの、技能実習生の国で入国待機をしている実習生が大勢います。実習期間を終えて帰国した実習生の中には、自分で会社を作ったり、学んだ日本語を活かして次世代の技能実習生の教育職に就いたり、実習で身につけた知識や技術・技能、考え方などを活かして母国の発展のために活躍しています。

正しく制度を理解して、正しく技能実習生を採用することで、会社として国際貢献に繋がる取り組みが可能です。

本稿では、外国人技能実習制度を簡単に理解するために、外国人技能実習制度の目的や実習生の受け入れが可能な国籍などの技能実習生に関する基礎知識、技能実習生を採用する日本企業がやるべきポイント3つに絞って解説いたします。



目次[非表示]

  1. 1.外国人技能実習制度とは?制度の目的から雇用するまでの流れを解説!
    1. 1.1.外国人技能実習制度の目的は「国際貢献」
    2. 1.2.技能実習生が日本で働ける期間はどのくらい?
    3. 1.3.技能実習生の人数制限は?何人実習生を受け入れることができるの?
  2. 2.どこの国籍の技能実習生を受け入れることができるの?
  3. 3.技能実習生が就労を開始するまでの流れ
  4. 4.技能実習生を受け入れる日本企業がやるべき2つの大切なこと
    1. 4.1.受入可能職種かどうか・賃金の支払い額等の条件確認
    2. 4.2.技能実習生の支援体制の構築
  5. 5.まとめ


外国人技能実習制度とは?制度の目的から雇用するまでの流れを解説!

外国人技能実習制度の目的は「国際貢献」

外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。

(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号))


技能実習生が日本で働ける期間はどのくらい?

外国人技能実習制度で外国人が働ける期間は「3年間」が基本です。3年働き、条件を満たせば更に2年延長することができ、「最長で5年」となります。働ける期間の条件を下記に詳しく説明します。

まず、1年目と3年目と5年目に検定試験があります。各検定試験に合格すると、実習を継続することができます。(5年目に限っては、在留期間の定めによりそれ以上の継続は不可能。)

より厳密には、1年目は技能実習1号、2~3年目は技能実習2号、4~5年目は技能実習3号という在留資格に分かれており、試験に合格することで、1号⇒2号⇒3号の資格取得が可能になるという仕組みです。


5年目終了後にそれ以上技能実習生として雇用することは出来ません。そのため、特定の技能実習生を継続的に雇用したい場合は、特定技能など別の在留資格に切り替える手続きが必要になります。


技能実習生の人数制限は?何人実習生を受け入れることができるの?

受け入れが可能な技能実習生の数には制限があります。実習生を受け入れる際の基本人数は、「常勤職員の人数」によって決まります。

【団体監理型の場合の受け入れ可能人数計算方法】

(例)

1. 実習実施者の常勤の職員が30人以下の場合:1号は3人、2号は6人

2. 実習実施者の常勤の職員が150人の場合:1号は10人、2号は20人

3. 実習実施者の常勤の職員が30人以下の優良な実習実施者に該当する場合:1号は6人、2号は12人、3号は18人

4. 実習実施者の常勤の職員が150人の優良な実習実施者に該当する場合:1号は20人、2号は40人、3号は60人


【優良な実習実施者の場合】

技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令(その法律の主管をする官庁が出す省令)で定める基準に適合している場合、外国人技能実習機構から優良認定を受けられます。

優良認定を受けると、受け入れ人数を増やすことができます。
※第3号技能実習生を受け入れる場合は、実習実施者と監理団体ともに優良認定を受けている必要があります。

優良な実習実施者、監理団体について詳しくは技能実習法の要件がまとまった資料を下記URLからご確認ください。

(参照) 優良な実習実施者及び監理団体(一般監理事業)の要件
https://www.takenobe.co.jp/wpsite/wp-content/uploads/2018/08/303ca898ea0cd13b4e8129fe3145ab6c.pdf



どこの国籍の技能実習生を受け入れることができるの?

2022年2月現在、17か国の国籍の外国人を技能実習生として受け入れる体制が整っています。対象の国は以下の表の通りです。


フィリピン  
カンボジア  
ネパール   
ミャンマー
モンゴル
スリランカ
インドネシア
ベトナム
バングラデシュ
ウズベキスタン
パキスタン
タイ
インド
中国
ペルー
モンゴル
ラオス




外国人技能実習機構が公表している令和元年度外国人技能実習機構業務統計では、ベトナム人の受け入れが一番多く、次いで中国、フィリピン、ミャンマー、インドネシアと続いています。

(参照)令和元年度外国人技能実習機構業務統計 概要
https://www.otit.go.jp/files/user/docs/200930-2.pdf


技能実習生が就労を開始するまでの流れ

技能実習生の受け入れをするためには、まず監理団体に加入しましょう。

監理団体とは、外国人の求人の取次ぎや必要書類作成の指導、入国後の講習、受け入れ企業の監査など、受け入れ企業の実習生の受け入れを円滑にかつ、問題が無いように企業と伴走する団体です。団体監理型で実習生を受け入れる企業は、必ず監理団体に加入し、監理団体を通して受け入れを行わなければなりません。

令和4年3月3日時点では全国に3,506の監理団体があります。自社のニーズに合った団体を選びましょう。選ぶポイントとして、監理団体の所在地や今までの実績、また扱っている職種や作業、外国人の国籍などが挙げられます。外国人技能実習機構のHPでは監理団体の名前や所在地、扱える職種や国籍の一覧を見ることができますのでご参照ください。

(参照)監理団体の検索(OTIT 外国人技能実習機構)
https://www.otit.go.jp/search_kanri/


監理団体に加入後は、技能実習生に求める人材を依頼し、人材募集を始めます。

その後の流れは以下の図の通りです。人材募集を始めた時点から、実際に技能実習生が自社で実習を開始するまでは、おおよそ7カ月から8カ月くらいの期間を目安にしておきましょう。


技能実習生を受け入れる日本企業がやるべき2つの大切なこと

受入可能職種かどうか・賃金の支払い額等の条件確認

技能実習生を受け入れられる職種は決まっています。対象職種は下の図の通り7つの分野に分かれています。

農業関係  
機械・金属関係
繊維・衣服関係
その他   
漁業関係
建設関係
食品製造関係

実習生を雇用したいと考えている方は、自社で扱っている事業、技能実習生に就かせたい作業が、技能実習生を受け入れられる職種・作業に該当するかどうか確認をしましょう。

技能実習生が従事する業務が移行対象職種・作業に該当するか判断する基準が、厚生労働省が公表している「審査基準」です。「審査基準」には職種・作業に関する細かな要件が書かれているため、監理団体の計画作成指導者と内容の確認が必要となります。

職種・作業の詳細については、JITCO国際人材協力機構の「技能実習制度の職種・作業について」をご確認ください。

(参照)JITCO国際人材協力機構「技能実習制度の職種・作業について」
https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/occupation.html

技能実習生は、技術を学びに来日していますが、働き、収入を得る必要があります。働く上では労働基準法の規定に則り、最低賃金以上の賃金支払いが必須です。地域の最低賃金額を確認し、滞りなく給与を支払いましょう。


技能実習生の支援体制の構築

【1】実習生を監督、支援するための3役割を設置する

技能実習を受入れるには、技能実習が効率よく行われ、技能実習生が安心して知識を修得できるように、技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を企業の中で選任しなければなりません。

3つの役割を担える人は常勤の職員である必要があります。必要条件の詳細は外国人技能実習機構のホームページから確認をしてください。

(参照)技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の就任承諾書及び誓約書と履歴書(外国人技能実習機構より)

https://www.otit.go.jp/files/user/180903-12.pdf
https://www.otit.go.jp/files/user/191015-1-468-0.pdf


【2】外国人技能実習制度・法律を正しく理解する

技能実習制度は「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」に基づいて運用されています。技能実習生の受け入れを検討する際は、制度の理解がなにより大切です。

外国人技能実習機構のホームページに掲載されている運用要領をもとに自社で採用することができるのかどうか検討をしてみてください。運用要領に不明点が残る場合は提携している監理団体に問い合わせると丁寧に教えてくれます。

(参照)外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=428AC0000000089_20200330_429AC0000000014

(参照)技能実習制度運用要領(外国人技能実習機構)
https://www.otit.go.jp/jissyu_unyou/

 

【3】外国人を定着させるマネジメント体制の構築

技能実習生で雇用する人は言うまでもなく「外国人」です。彼らにとって外国である日本での労働、生活は異文化での活動のため、日本人と同じようにマネジメントをしても効果が発揮されないことも多くあります。外国人材のマネジメントノウハウが社内にあるかどうかを確認しましょう。せっかく日本の技術を学びに来た外国人に在留資格満了まで自社に定着してもらい、仕事の目的や意義を感じながら成長してもらうために、外国人のマネジメントノウハウを定量化して社内リソースにしていくことが大切です。


まとめ

本稿では、外国人技能実習制度について簡単にポイントを絞って紹介しました。


外国人技能実習制度を理解するうえで、抑えるべきポイントは主に以下の点です。

1. 外国人技能実習制度の目的は「国際貢献」

2. 技能実習生が日本で働ける期間は3年∼5年

3 技能実習生の受け入れ人数制限は、自社の従業員数できまる!

4. 技能実習生を受け入れられる国籍は17か国

5. 面接から就労開始までは6~7カ月がかかる


技能実習生を受け入れたい日本企業がやるべき大切なことは以下の点です。

1. 自社事業が受け入れ可能な職種かどうか確認しましょう

2. 賃金の支払い額を明確にしましょう

3. 外国人を定着させるマネジメント体制を構築しましょう


外国人材のマネジメント体制の構築に興味や不安がある場合は、リンクジャパンキャリアへ是非ご相談ください!