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【意外とシンプル?】マネジメントから学ぶ、外国人との「交渉術」

外国人社員をマネジメントする日本人管理職の方も増えてきています。また、同僚に外国人がいるという職場も多くなってきているでしょう。

そして、外国人とのコミュニケーションを行っていると、このようなお悩みを持った方が増えてきています。

  • 外国人社員のマネジメントに悩んでいる
  • 外国人社員が言うことを聞いてくれない
  • 外国人社員とのやりとりがいつも交渉になってしまう
  • 異文化におけるマネジメント・コミュニケーションの違いに戸惑っている


本記事を読んで学べることは下記の通りです。

  • 外国人社員のマネジメントへのヒントが掴める
  • 外国人社員が会社の言うことに耳を傾けてくれる
  • 外国人社員とのうまく交渉できる
  • 仕事において異文化が苦にならない


少しでも外国人や異文化とのコミュニケーション・マネジメント、ひいては物事の「交渉」にお役立ちいただければと思います。

目次[非表示]

  1. 1.人は限定合理的感情人である-2つの「かんじょう」
  2. 2.人が組織に所属する理由-「感情」の4P
  3. 3.外国人はよりメリット・ベネフィットを重視
  4. 4.具体的なやりとり例
    1. 4.1.事例その1:昇格に関して
    2. 4.2.事例その2:業務外の依頼事項
    3. 4.3.注意点:4Pを把握するためには事前の関係構築が重要
  5. 5.まとめ

人は限定合理的感情人である-2つの「かんじょう」


みなさんは行動経済学という学問をご存知でしょうか?ダニエル・カーネマン氏がノーベル賞を受賞したことで一躍有名になりましたね。この学問によると、人は合理性だけで物事を判断せず、むしろ感情で判断すると言われています。例えば、事業において完璧な戦略が仮にあったとしても、その納得感が実行する人側に芽生えなければ、行動には移されない、ということです。

つまり、人は2つの「かんじょう」-「勘定」(損得)だけでなく、「感情」で判断する生き物とも言えます。

人が組織に所属する理由-「感情」の4P

人が会社、ひいては組織に所属する理由は様々であることは明白ですが、組織に所属することによって得られるリターンがあるからであると言えます。そして、前述の限定合理的感情人であるということを踏まえても、決して金銭的理由だけが会社に所属する理由ではありません。むしろ、金銭的理由だけで言えばもっとフリーランスの方は増えてもおかしくないからですね。

では、人は何を組織に求めるのでしょうか?弊社親会社であるリンクアンドモチベーションが行動経済学・社会心理学などをベースに整理したフレームワークに4Pというものがあります。これはマーケティングで提唱されている4Pとは異なり、人が組織に所属する魅力要因を整理したものになります。


外国人はよりメリット・ベネフィットを重視

他の記事でも紹介しましたが、外国人は就社ではなく就職という考え方が強いく、転職することへの抵抗感は日本人より弱いです。つまり、会社に所属しているメリットやベネフィットを感じないと離職する可能性は高くなります。3年以上同じ会社で働いている人がいたら、何か特別な事情があるんだろうと考えるのが外国人側の感覚です。

一方、同じ企業に長く勤める外国人もいます。さきほどの4Pのフレームワークにのっとり、外国人社員が確かなメリット・ベネフィットを感じれば、定着につながります。逆に言えば、相手の欲求をつかめれば交渉事は思っていたよりもうまく進むかもしれません。

具体的なやりとり例

それでは、ここからは2つの事例から、4Pを用いた交渉術を見て行きましょう。

事例その1:昇格に関して

(ケース)
あなたはメーカA社の営業部の課長です。部下にアメリカ人のJohnさんがいます。勤勉で真面目で、仕事のやり取りで行き違いがあることはありませんでした。
1年に1回の評価面談の際、あなたは本人の頑張りを認め、「よく頑張っているね。これからも期待しているよ!」と伝えました。すると「昇格はいつですか?」とJohnから聞かれたので、「うちのルールだと入社5年目で昇格試験があるから4年後だね。まだ時間はあるけど、しっかり準備して臨もう!」と答えました。しかし、Johnの反応は薄く、むしろ残念な表情を浮かべ面談が終わりました。そして翌週、次の職が見つかったので退職する、と言ってきました。あなたはびっくりし、思いとどまるよう伝えたものの、あえなく退職となってしまいました。

(解説)
前述の通り、外国人は転職に対する抵抗感は日本人と比べてありません。すぐ退職、ということは体験した人もいるのではないでしょうか。退職のきっかけはもちろん昇格スピードの遅さに落胆し、早く昇格したいという本人の要望に応えられない職場であると思われたことにあると思います。いち課長であるあなたが会社のルールを変えることは生半可なことではありませんが、ルールができた背景や、遅いからこそのメリットを本人の欲求と照らし合わせて話せると良いかもしれません。

例えば、4PのProfession(仕事)での「成長実感」という点を本人が重視していたとしましょう。早く昇格する=成長している証、と捉えているかもしれません。そこで昇格ルールができた背景を丁寧に説明してみましょう。「以前、成果重視でどんどん昇格させていった過去があったんだけど、実はその後組織がうまくいかなくてね。成果も大事なんだけど、周囲との関係性などを鑑みて、慎重になっているんだ」といった具合に話せるのは最低限必要なことです。

一方、「そんなことは自分には関係ない」と考える外国人社員も少なくありません。慎重な昇格ルールと、成長実感の共通点を伝えるのが良いです。例えばこんな風に伝えられると良いかもしれません。

「昇格スピードが速くないということは逆に言えば降格のリスクも少ないということ。そういう意味では様々な挑戦や新しい取り組みをして、仮に失敗したとしても、それだけで昇格はないということにもならない。むしろ、色々とトライできて、スキルを高める機会も多くできるね。私もJohnにどんどん新しい仕事に取り組んでもらえるよう割り振るし、仮にできなかったとしてどうやって一緒にできるか考えていくよ。」

本人の欲求にある成長実感とスキル獲得機会を紐づけ、失敗も含めた試行錯誤ができる環境にもプラス面があることを伝えられると、本人にとっても職場ルールを使えるイメージが持てるでしょう。


事例その2:業務外の依頼事項

(ケース)

あなたはメーカーA社の営業部の課長です。ある日、商品開発部の同期からある相談をもちかけられました。どうやら企画出しに苦戦しており、いつも同じメンバーで議論していると煮詰まってしまうようです。同期の悩みに応えたいなとおもったあなたは、そこで課にいるJohnのことを思いだし、彼なら外国人ならではの視点で凝り固まった日本人の議論に刺激を与えられると思い、さっそくJohnに打診してみました。「商品企画部の議論がどうやら煮詰まっているらしい。毎週水曜日の午前中に1時間打ち合わせしているようだから、Johnもそこに参加して意見を出してくれ」と伝えたところ「私の仕事ではないので断ります」と言われました。

(解説)

まず外国人社員は職務範囲を明確に分ける傾向にあります。いわゆるジョブ型と言われる働き方であり、さらに言えば他の人の役割を奪うことはご法度と考えています。その人が無能だということを証明し、仕事を取り上げる、クビにつなげてしまう、と認識するようです(極端かもしれませんが)。

こうした文化的背景もさることながら、4Pのフレームを用いてどのように交渉できるでしょうか?例えば、Johnは4PのPeople(人材の魅力)の人的資源、つまりどんな人と働くのかを重視しているとしましょう。そうすれば、伝え方も変えられます。「商品開発部の議論に参加することで、Johnなりの視点で刺激を与えてほしい。それに、Johnにとっても新しい人脈もできる。商品開発部はうちの会社でも花形の部署の一つで、優秀な人材が揃っているから、Johnもきっと刺激があるよ。」という形でも良いです。どんな刺激が受けられるかも具体で伝えられるとより良いかもしれません。


注意点:4Pを把握するためには事前の関係構築が重要

ここまで4Pを用いた交渉術の事例をお伝えしてきましたが、その前提として「Johnは●●を重視しているとしましょう」と置いてきました。果たしてどうやってその4Pを把握するのでしょうか?

もちろん本人にストレートに「仕事選びで何を重視しているの?」と聞くことも大事でしょう。しかし、それを後から知ってコミュニケーションを取ろうと思ったら手遅れです。普段の仕事ややり取りの中で、何を大事にして仕事をしているのか、観察するのが必要です。さらに、業務外の話をする面談を定期的に持つことも有効です。1 on 1面談が最近よく話題に上がってきているのは、こうした一人ひとりの欲求を把握する機会を設けることで、業務でのやり取りや交渉をスムーズにさせることができる、という背景もあります。

そして、外国人・日本人問わず、人が重視する魅力は様々であり、複合的です。一律にこういう人はこう、というものではありません。ぜひ一人ひとりの個性に合わせて「交渉」していきましょう。


まとめ

モチベーションのフレームワークである「4P」を用いた交渉術、いかがでしたでしょうか。こうして読んでみると案外簡単かも、と思ってもらえれば幸いです。実際は実行が難しいのは言うまでもありませんが、できないことでは決してありません。

ぜひ明日からのコミュニケーションに交渉を取り入れてみましょう。

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