ブログ

catch-img

【日本は外国人受入進んでいる?】近年の日本と海外の外国人受入動向

海外から日本で勉強したり、働いたり、またパートナと一緒になる目的だったり、来日する外国人、いわゆる在留外国人の数は年々増加しています。2020年時点で288万人と、300万人に迫る勢いで、日本の人口約1憶2千万人のうち約2%を占めるまでになっています。2012年の在留外国人は200万人強でしたが10年前から急激にその数を伸ばしており、その伸びを支えているのが、勉学を目的として来日する留学生と、技能の獲得を目的に来日する技能実習生です。

まず、2010年には5万人以下だった留学生についてです。優秀な留学生を取り込み、その後の日本国内の就職にもつなげるため、その数を伸ばそうと日本政府が2020年頃の達成を目途に「留学生30万人計画」を打ち出し様々な施策を実行していきました。日本語学校の留学生をメインにその数は急増し、2019年には計画通り30万人を突破。今もその数は増え続けています。

(出展)
法務省データ
http://www.moj.go.jp/content/001317545.pdf

一方、留学生とあわせて在留外国人の増加の要因となっているのが「技能実習生」です。

技能実習制度は、日本が先進国として、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的として制定された制度です。2010年から運用がはじまり、2019年には技能実習生として在留する外国人の数は41万人に上るなど、留学生数と同じく規模を広げています。

高齢化と人口減少が進み続ける日本に外国人が来てくれる人材が増えることはとてもありがたいですが、現状の制度にはさまざま問題もあります。

例えば在留人数が30万人を突破した留学生。本業は学業ですが、申請を行えば週28時間までのアルバイトが認められています。しかし、留学生という在留資格を利用して出稼ぎのような形でその時間を超過して働く留学生が後をたたず、約0.5%の人数が在留資格を取消され母国に帰っています。

また、技能実習生の本来の目的は「日本で技術を学び、母国に持ち帰る」という長期研修に近いものです。しかし、現状では日本の若者場離れが進む農業等の現場で「労働力」としてあてにされ、目的と実態が乖離した状況になっています。さらに、労働の待遇は劣悪であることが多く、厚生労働省が2018年に行った調査によると、技能実習生が従事する事業場のうち、なんと7割もの場所で労使協定を超えた残業や割増賃金の不払い、危険・健康障害を防止する措置の未実施など労働基準関係法令に違反する事例が判明しています。

留学生、技能実習生、どちらのケースも日本に在留する外国人の数そのものは増えているものの、在留の本来の目的と実態が乖離しているケースが多く、社会問題化しています。日本に来てくれる外国人にとって、住みやすく・働きやすい日本にしていくため、法整備や行政指導、仕組みづくりの改善などを長期的に行っていく必要があります。


諸外国の外国人受入施策

近年留学生と技能実習生の増加に力を入れ外国人の数を増やしてきた日本に対して、諸外国は一体どのように外国人受入を行っているのでしょうか。


ケーススタディ:ドイツ

日本と同じように少子高齢化による労働力人口の減少に悩むドイツの例を見ていきます。ドイツはグローバル化やデジタル化の進展に伴う労働市場の構造変化の影響により、高度な技能を持つ専門人材が著しく不足しています。

ドイツではEU域外からの人材受入促進措置として、2012年に「EUブルーカード」を導入していましたが、大卒者などの高学歴者を対象としで優遇措置が行われていました。しかし、昨今の状況を受け2019年にEU域外からの専門人材受入を拡大する法案「専門人材移民法」を可決。職業教育を受けた技能労働者にも優遇措置を拡大適用する措置を2020年から取っています。この改正により、ドイツはより幅広い人材の確保を目指しています。

日本もより多くのいわゆる高度人材の獲得を目指して、永住権の申請に係る制限を緩和するなど優遇措置を強化していますが、技能労働者をより広く受入れていくという方針を打ち出したドイツへの人材流入がどのように変化していくのかウォッチし、習えるところがないか検討を続けていくべきでしょう。


ケーススタディ:イギリス

次に、欧州内でEUを離脱したイギリスではどういった施策が取られているかも見ていきます。イギリスでは過去、東欧等から低賃金の移民労働者が大量に流入し、EU離脱可否の国民投票でも離脱派を勝たせる要因となりました。離脱および国勢を受けイギリスでは2021年1月から新たな制度が導入され、英国国籍またはアイルランド国籍を有していない者はポイントベース制度による審査を経てビザが発給されることとなっています。技能労働者、技能労働者(介護と医療)については、下記表のポイント制度において、70点以上となることが要件となっています。

(出展)
厚労省「2020年 海外情勢報告」より
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kaigai/21/

この制度によりEU域内の労働者が英国に自由に移動できる仕組みは終了し、年収や学歴などを基準にポイントを与え、一定のポイントを超えた人材だけにビザ(査証)を発給することで、単純労働者など低技能の人の英国への流入を排除する形となっています。

先ほどのドイツとは逆で、高度人材の受入れに軸足をうつすことになり、離脱のメリットを国民にクリアにアピールするねらいがあると考えられてます。しかし、この変更はこれまで低賃金の労働者に頼ってきた業界にとってはかなりの痛手で、短期間で人手不足に陥っていくことは明白です。


日本が学べること

ドイツやイギリスの例から日本が学べることは何でしょうか。両国ともに高齢化や人口減少に苦しみながら高度人材の獲得目標を中心にそれぞれ施策を打ち出していますが、獲得には苦戦し、低賃金の労働力や技能者に頼らざるを得ない状況です。イギリスのように国民の声を反映して低賃金の労働者を締め出したとしても、自国に労働力が不足し、苦しい状況に陥るのは自国民です。

低所得者への門戸を開けつつ、特定技能のように転職可能な制度としたりすることで、流入してきた外国人にとってキャリアづくりができる土壌をつくり、単純労働者だけに偏らせないことで、国民の理解を得ながら外国人と共生できる社会をつくっていくことが重要です。


まとめ

ここまで日本の在留人口の近年増加の要因を探り、同じく近年の海外の労働施策を見てきました。現在の施策を活かしつつ、海外の施策からうまく良いところ取り入れて日本人・外国人がともに助け合って生きられる社会にしていきたいですね。

英語に堪能なネイティブ人材の採用でお悩みの方は、 お気軽にご相談ください。

お電話でのお問い合わせはこちら
(平日10:00~18:00)
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください。
外国人採用成功の秘訣は
こちらから